赤字から黒字に転換した会社を探す:「2期赤字→2期黒字」で定着を確かめる

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一度黒字になっただけの会社と、黒字が定着した会社は違います。営業利益の4期分を0と1の判定で掛け合わせ、「2期以上赤字のあと、黒字が2期続いた」会社を探す式と、売上の伸び・キャッシュの裏付けで点数にする方法、利益率の回復の幅の見方を紹介します。

赤字から立ち直った会社、その回復は本物でしょうか

  • 赤字が続いたあと、黒字が2年続いている会社はどこか
  • 黒字はコストを削っただけか、売上が戻ってのものか
  • 利益の回復に、現金の裏付けはあるか

赤字が続いた会社が黒字に戻ると、株価が大きく見直されることがあります。いわゆるターンアラウンドです。ただし、黒字になった1年目は、リストラの効果や一時的な要因であることも多く、翌年にまた赤字に戻る会社も少なくありません。

「前期が赤字で今期が黒字」だけで探すと、赤字と黒字を行ったり来たりしている会社も混ざります。かといって、4期分の営業利益の並びを全社について確かめるのは、決算短信を1社ずつさかのぼる作業になり、現実的ではありません。

4期分の並びを、1つの式で判定します

2期前と3期前が赤字、1期前と今期が黒字、という4期分の並びを条件にします。2年続けて黒字なら、回復が定着しはじめたと判断しやすくなります。そのうえで、売上の伸びと営業キャッシュ・フローで回復の中身を点数にします。

0と1の判定を掛け合わせる

各期について「黒字なら1、赤字なら0」(赤字の期は「赤字なら1」)という判定を作り、4つを掛け合わせます。すべての条件を満たすときだけ1になり、1つでも外れれば0です。

黒字転換の定着
黒字転換の定着の判定 = 今期の営業利益が黒字 かつ 1期前も黒字 かつ 2期前が赤字 かつ 3期前も赤字 なら1、そうでなければ0

回復の中身を見る列

売上の伸び3年
3年の売上の伸び(%)=(今期の売上高 ÷ 3期前の売上高 − 1)× 100
営業CF黒字2期
営業 CF の2期黒字の判定 = 今期と1期前の営業活動によるCFがどちらもプラスなら1、そうでなければ0

売上の伸びは、コストを削っただけの黒字か、売上が戻っての黒字かを見分けます。営業キャッシュ・フローも2期続けて黒字なら、利益の回復に現金の裏付けがあります。

点数にまとめる

ターンアラウンドの点
ターンアラウンドの点(100点満点)= 黒字転換の定着が1の会社だけ { 50点 + 営業 CF が2期黒字なら25点 + 3年の売上の伸びが0%以下なら0点・10%以上なら25点(その間は比例)}、定着していなければ0点

条件を満たした会社は50点から始まり、営業キャッシュ・フローの裏付けで25点、3年で売上が10%以上伸びていれば25点を足します。条件を満たさない会社は0点です。

別に見る列:利益率の回復の幅

点数とは別に、赤字の底から今期までに営業利益率が何ポイント良くなったかも並べておくと、回復の大きさが分かります。この列は点数には入れず、候補を絞ったあとに比べるために使います。

回復の幅
回復の幅(ポイント)= 今期の営業利益率 − 2期前と3期前の営業利益率のうち低い方(営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100)

計算例

営業利益が3期前 −40百万円、2期前 −20百万円、1期前 30百万円、今期 50百万円で、売上高が各期1,000百万円の会社は、黒字転換の定着が1です。回復の幅は、底の利益率 −4%から今期の5%まで、9ポイントです。営業キャッシュ・フローも2期黒字で、売上が3年で10%伸びていれば、100点です。

使い方

注意点

  • 営業利益で判定しているので、特別損益による最終赤字・黒字は含まない。最終利益で見たいときは当期純利益に置き換える
  • 上場から4期たっていない会社は空欄になる
  • 赤字の底が浅い会社(わずかな赤字)でも条件を満たす。回復の幅もあわせて見る
  • 5年続けて黒字の会社を探すときは「5年間一度も赤字が無い会社を探す:5期分の判定を掛け合わせる」の式を使う

企業データラボなら、黒字が定着しはじめた会社を全上場企業から一度に

企業データラボでは、過去の期の値を「[1]」〜「[3]」で参照できるので、こうした「期の並び」の条件も1つの式で書けます。式を1つ作れば約3,700社すべてに当てはまり、ターンアラウンドの点で並べ替えるだけで候補が上に並びます。

回復の幅の列も並べて、同じ業種の競合と比べられます。決算のたびに、新しく条件を満たした会社が自動で加わります。

過去4期の営業利益の並びを約3,700社まとめて判定し、黒字が定着しはじめた会社を一覧にできます。

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