
Rule of 40(ルール・オブ・40)を3年の数字で計算する:成長と利益のバランスを測る
企業データラボ
売上の成長率と利益率の合計で成長企業を評価する「ルール・オブ・40」を、3年の年平均成長率と3年累計の FCF マージンで計算する式を紹介します。1年の数字だと何がずれるのか、業種に合わせた基準の変え方も解説します。
この成長企業は、成長と利益のバランスが取れているのか?どう判断していますか
- 赤字でも急成長している会社は、評価してよいのか
- 成長は遅いが利益の多い会社と、どう比べればよいのか
- たまたま良かった1年ではなく、ふだんの実力はどうか
ルール・オブ・40は、米国のソフトウェア企業の評価で広く使われている目安です。「売上の成長率(%)+ 利益率(%)が40を超えていれば健全」という考え方で、成長のために赤字を出している会社と、成長は遅いが利益の多い会社を、同じ物差しで比べられます。
ただ、成長企業の数字は年によって大きく動きます。大型の契約を取った年は成長率が跳ね上がり、採用や広告に投資した年は利益率が落ちます。1年の数字で計算すると、その年の事情で40を超えたり下回ったりしてしまいます。かといって、会社ごとに3年分の売上とキャッシュ・フローを集めて計算するのは手間がかかります。
3年の数字でルール・オブ・40を計算すれば、その疑問に答えられます
3年の年平均成長率と、3年累計の利益率を使えば、その会社の「巡航速度」で評価できます。必要なのは「3年の売上の伸び」と「3年分のキャッシュの残り方」の2つです。
ステップ1:3年の成長率
ステップ2:3年累計の FCF マージン
利益率には、元の考え方に近いフリー・キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フロー − 設備投資)のマージンを使います。3期分の合計どうしで割ることで、設備投資の多い年・少ない年の波をならします。
ステップ3:合計する
点数の列は、合計が10で0点、40で満点になるようにしたものです。一覧で並べ替えるときや、ほかの条件と組み合わせるときに使います。
計算例
売上高が3年前の100億円から195億円に伸びた会社では、3年の年平均成長率は約25%です。3年間の営業キャッシュ・フローの合計が60億円、設備投資の合計が11億円、売上高の合計が410億円なら、FCF マージンは約12%です。合計は約37で、40にわずかに届きません。
読み方
- 40を超える:成長と利益のバランスが良い。成長のための投資を続けても、お金を生み出せている
- 成長率が高く、FCF マージンが大きなマイナス:成長をお金で買っている状態。資金調達が続くかを確かめる
- 成長率が低く、FCF マージンが高い:成熟した事業。株主還元や新しい成長分野への投資の方針を見る
日本の会社に当てはめるときの工夫
40という基準は、成長の速いソフトウェア企業を前提にしています。製造業や小売業に当てはめる確立した基準はありませんが、ここでは20〜25程度を目安としておきます(筆者の目安です)。業種ごとに点数の下限と上限を変えた列を作ると、業種の中での順位が見やすくなります。また、営業利益率で計算した版も並べると、設備投資の重い会社とそうでない会社の違いが見えてきます。
注意点
- 3年の年平均成長率の計算は「売上高の成長率と CAGR(年平均成長率)の計算方法」で詳しく説明しています
- M&A で売上が大きく増えた会社は、成長率が実力以上に高く出る
- FCF には M&A に使ったお金が入らない。買収を重ねている会社は、投資活動によるCF 全体でも確かめる
- 上場して4期に満たない会社は、3年の成長率が空欄になる
企業データラボなら、ルール・オブ・40を全上場企業で一度に
企業データラボでは、「[N]」で過去の期を参照し、3期分の合計や平均も1つの式で書けます。式を作れば約3,700社すべてに当てはまり、ルール・オブ・40の点で並べ替えたり、業種で絞り込んだりできます。
40という基準を自分の業種に合った基準に変えた列も、すぐに作り直せます。「成長」と「利益」の組み合わせ方を自分で決められるのが、式で分析する強みです。
3年の成長率と3年累計の FCF マージンを組み合わせたルール・オブ・40を、全上場企業で一度に計算できます。
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