
PEG レシオを3年の利益成長で計算する:成長の割に割安な会社を探す
企業データラボ
PER を利益の成長率で割る PEG レシオを、3年の年平均成長率と会社予想を使って計算する式を紹介します。株式分割の影響を受けない計算の仕方、赤字や減益の会社の扱い、実績と予想の2つの PEG の使い分けを解説します。
PER が高いこの成長企業は、本当に割高なのか?確かめたくありませんか
- 成長の速さを考えに入れると、割安なのか割高なのか
- 一時的な利益の回復で、割安に見えているだけではないか
- 会社予想まで含めても、成長は続く見通しなのか
PER(株価収益率)だけで割安かどうかを判断すると、成長の速い会社はいつも「割高」に見えてしまいます。利益が毎年20%伸びる会社の PER 20倍と、利益が伸びない会社の PER 20倍は、同じ意味ではありません。
成長率を考えに入れようとしても、1年の利益の成長率は、前の年が落ち込んでいた反動や一時的な利益で大きく動きます。前の年に利益が半分になった会社は、翌年に元に戻るだけで「100%成長」になってしまいます。会社ごとに3年分の利益を集めて成長率を計算し直すのは、手作業では手間がかかります。
3年の利益成長で計算した PEG レシオで、その疑問に答えられます
PEG レシオは、PER を利益の成長率(%)で割って、成長の速さを考えに入れた割安さを測る指標です。米国の著名な投資家ピーター・リンチが紹介したことで広く知られています。成長率に3年の年平均を使えば、反動の影響を抑えられます。
ステップ1:3年の利益の成長率
1株あたり利益(EPS)は株式分割で変わってしまうので、ここでは親会社株主に帰属する当期純利益の成長率を使います。
ステップ2:実績の PEG
1を下回ると、成長の割に割安と言われます。0.5を下回る会社は、市場が成長を十分に評価していない可能性があります。
ステップ3:会社予想を入れた PEG
過去の成長だけでなく、来期の会社予想まで含めた成長率も計算できます。3期前から来期予想までの4年間の年平均成長率です。
実績の PEG と来期込みの PEG がどちらも低い会社は、過去も先行きも成長が続く見通しなのに割安な会社です。実績の PEG は低いのに来期込みの PEG が高い会社は、成長が鈍る見通しを会社自身が出しています。
計算例
純利益が3年前の50億円から86.4億円に増えた会社では、3年の年平均成長率は20%です。PER が15倍なら、PEG は 15 ÷ 20 = 0.75 になります。
注意点
- 3期前か今期の純利益がマイナスの会社は、成長率が計算できず空欄になる(赤字の会社には PEG は使えない)
- 成長率がマイナス(減益)の会社は PEG もマイナスになる。並べ替えるときは、成長率がプラスの会社に絞る
- 成長率が非常に高い会社(年50%超など)は、その成長が続くとは限らない。PEG が低く出すぎていないかを確かめる
- PER は1株あたりの数字なので自社株買いで株式数が減ると下がるが、成長率は総額の純利益で測っている。自社株買いの多い会社では、PEG がやや高めに出る
- 会社予想の傾向(保守的か強気か)は、「業績予想の達成率で会社予想の「癖」を測る:保守的な会社・強気な会社の見分け方」の式で補正できる
企業データラボなら、成長の割に割安な会社を全上場企業から一度に
企業データラボでは、PER などの株価の指標と、「[N]」で参照する過去の期の財務、会社予想を1つの式で組み合わせられます。式を作れば約3,700社すべてに当てはまり、PEG の低い順に並べ替えたり、成長率がプラスの会社だけに絞り込んだりできます。
実績の PEG と来期込みの PEG を並べれば、過去と予想の両方から、成長株の割安さを全上場企業で比べられます。
PER と3年の利益成長率を組み合わせた PEG を約3,700社で計算し、成長の割に割安な会社から並べられます。
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